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♪腐った主と花丸な日々♪  
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「戦国純情ニンニン伝♡」




いったいすでに何祭りかわかんないっすけど、きっとニンニン祭り♪

「戦国純情ニンニン伝♡」



                               文:ひぐれ







 忍びとは影。主がため闇を走り敵を斬る。主が天下、それが影の望み。それなのに、影は今、闇に惑っている。囚われたが最後、逃れる事の叶わぬ闇に。





「放せ」



「嫌だ」



「放せ!」



「嫌だ!」



 天井裏で永遠と繰り返される押し問答。大阪城天主、天井裏にて諜報活動中の服部半蔵は、ピッタリと後ろから自分を抱き締めて放さない大男を冷たい目で睨んだ。



 感情のない鋭い眼光に大抵の者なら臆して逃げ出すのだが、やはりこの男にはきかぬようだ。



 男の名は風魔小太郎。元々は敵軍北条の忍びだった男だ。それがどう言うわけか、今は徳川に手を貸している。



 名前の通り、風のようにつかめない男。



「任務の邪魔だ」



 低い声を作って脅すも、こちらも効果なし。小太郎は半蔵を抱き締める手に一層力を込めた。



「任務なら我が後でどうにでもしてやる。今は」



「っ、」



 小太郎の大きな手が半蔵の顔を包み、上向かせる。上から降りてきた小太郎の唇に、半蔵の唇が重ねられる。



「んぅっ、やめろ」



 言ってもきかない事は重々承知している。けれど放っておけば、この男は調子に乗ってこんな天井裏だろうとかまわず半蔵を組み敷き、最後まで欲望を遂げるような外道なのだ。そのせいで毎度毎度任務を邪魔されて、さすがの半蔵の堪忍袋も限界を迎えていた。



「くっ、よせっ」



 忍び装束の上から、胸の辺りをまさぐられて、半蔵の雄が熱を持ち始める。このままでは又いつもの展開になってしまう。



「それ以上したら二度と口をきかぬ!」



「!」



 子供じみた絶好宣言、しかしながら存外に威力があったようで、小太郎は動きを止めた。



「任務なら我が。その方が早い。だから今は――」



 大人しく自分に抱かれろと、小太郎が目で訴える。その余計な一言が、常日頃感情の起伏の少ない半蔵の怒りに触れた。



「与えられた任務は自らの手で成し遂げる。それが影たる勤め」



 立ち上がり、小太郎の身体を力いっぱい突き飛ばす。半蔵は侮蔑の目を小太郎に向けた。



 忍びとして自分は小太郎には及ばない。半蔵とて自覚はある。けれどそれを素直に認められるほどお人好しではない。



 半蔵の怒りが伝わったのか、小太郎は呆然と半蔵を見上げている。



 切れ長の瞳、ニヒルな笑みを浮かべる唇、小太郎の事をヘビのような男だと半蔵は前々から思っていた。けれど今はどうだろうか。



 一見いつもとなにも変わらぬようには見える。けれどよくよく観察すれば、半蔵を見つめ返すその瞳はどこか不安げで禍々しい光を失っている。不満そうに口角をさげて引き結ばれた口元と言い、膝を抱えて縮じこまった姿勢と言い、ヘビと言うよりも主に捨てられた大型犬と言った風情だ。



 キュンと、不覚にも胸の中が疼く。



(いかん、今日ばかりはほだされぬ)



 半蔵は小太郎に背を向け、諜報活動を再開した。



 今は大事な任務の最中、的確に情報を収集せねばならない。けれど、



「…っ…」



 妙に張りつめた重たい空気が心地悪い。チラっと横を伺えば、相変わらず背を丸め、膝を抱えたままの小太郎が床に「の」の字を書いている。そして半蔵の視線に気づいたのか、そっと目線を上げて小太郎を見るも、慌てて顔を伏せ又「の」の字を書き始める。



(な、なんなのだこの男はっ)



 これが最強の忍びの姿なのかと、イライラする。けれどそれと同時にさき程のキュンがキュンキュンに変わって、今すぐ小太郎にかけよって抱き締めてやりたいわけのわからぬ感情が込み上げてくる。



(任務を遂行せねば)



 天井下の会話に意識を集中させる。けれど、大事な会話が右から左へ抜けてしまって頭に入っていかない。こんな事、これまで一度もなかったのに。



「?」



 ふっと又顔を横に向ける。小太郎は先ほどと同じように床に「の」の字を書いている。でも何か違和感がある。



 気のせいだろうと任務を再開、けれどやっぱり気になって横を盗み見る。小太郎もそっと目を半蔵に向けては又反らせる。そして又違和感。



(なんなのだ?)



 小太郎が気になって任務どころではない。この違和感はなんなのだと、逡巡して、半蔵ははっとなった。が、気づいたのと時を同じくして右肩に温かなモノが触れた。



「っ、小太郎!」



 半蔵の横に寄り添うように身体をくっつけているのは小太郎だ。小太郎はだるまさんが転んだよろしく、じょじょに半蔵に近づいていたのだ。



 はぁーっと大きな溜息が零れる。



(まったくこの男は)



 どこまでバカなんだと横を見れば、小太郎も口を閉じたままジロリと半蔵を見て又も視線をはずす。



「っ、バカが」



「!」



 身体の力を抜くと、半蔵は小太郎の身体にその身をもたせたかかった。優しい小太郎の体温がじんわりと伝わってくる。小太郎の手がそろそろと伸びてきて、半蔵の手に重なる。



 バカなのは小太郎だけではない。自分も相当の大バカ者だと、思わず笑みが零れた。



「!!!」



「?」



 小太郎が目を見開いて半蔵を見ている。なんだと視線で訴えれば、小太郎が大きな身体を起こしてのしっと覆いかぶさってくる。



「な、何をする!」



 最気叱られた事をコイツはもう忘れたのかと内心辟易していると、大真面目な顔で小太郎が言った。



「半蔵、笑ったな?」



「? それがどうした?」



 だからなんだと問い返せば、小太郎が頬を緩めて言った。



「極悪に可愛かった」



「!」



 小さな子供のように、顔中笑顔にして小太郎が微笑む。その笑顔が、半蔵を覚えずときめかせる。



(小太郎でもこんな顔をするのか)



 自分もとびきりの笑顔になっているなんて事を、この大男は考えもしないのだろうなと半蔵は思った。この笑顔をさせているのが自分なのだと思うと心が暖かくなる。



「半蔵、いいか?」



「聞くな、バカが」



 二人はどちらともなく唇を合わせた。



 影は光にはなれぬ。けれど影ならばこそ、闇と共に在り続ける事ができる。



(影は闇に溶ける。それも又悪くない)



 抱き締められた大きな腕の中で、半蔵はそっと瞳を閉じた。



「って、腰帯を解くな!」



「往生際が悪いぞ、諦めろ!」



「や、あっ、あぁぁぁぁっ」



 そして今日もギシギシと天井が揺れる。



 大阪城に「揺れる天井」と言う七不思議が一つ、追加されたのはこの後の事である♪(嘘)





                                        o(^-^)o おわり





 ここんとこ、エロばかっか書いていたので今回は純愛にしてみました♪小太郎の笑顔ってどんななんだろうか。ニヤっとしか思い浮かばないΣ( ̄ロ ̄lll)


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[ 2009/06/10 09:15 ] 二次創作一覧 小説 | TB(-) | CM(-)
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ひぐれ&しぐれ

Author:ひぐれ&しぐれ
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