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♪腐った主と花丸な日々♪  
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「サクラ咲く夜に――第8話――」

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~大江戸ワンピース~
「サクラ咲く夜に――第8話――」

                                  画:しぐれ  文:ひぐれ

「サ、サンジさんお久し振りです」

 呆然と立ちすくむサンジに、上座に座る男が照れくさそうに片手を上げる。やせこけた頬を赤く染めて、無理に笑おうとするギンを前に、サンジは緊張の糸がすぅっと解けて行くのを感じていた。

「あ、サンジさんここどうぞ。どうも俺は上座って柄じゃないんで」

「お、おう」

 ペコペコ頭を下げてギンが座布団をサンジに譲る。

 灰色のかすりの着物を着流したこの男は、東の海の大海賊ドン・クリークの手下で名をギンと言う。わけあって、サンジは以前ギンとドン・クリークの命を助けたことがあった。

「サンジさん、どうぞ」

「あぁ、悪りぃな」

 ギンが灰皿を差し出すと、サンジは煙管を口にくわえた。

 海賊なんてやくざな商売に身を置くギンだが、その実義理堅く忠義に厚い漢だ。しかし自分を買った相手がギンとは、意外と言うか幸運と言うか、サンジは肩の力を抜いてホッと内心安堵していた。

 どう言うつもりで自分を買ったのかはわからないが、ギンが自分にひどいことをするわけがないと、サンジは鷹をくくっていた。

「それにしてもすげぇー部屋だよなぁ」

「え? あぁ、そうっすね」

 全面金箔が施された壁には、薄紅色の桜の花が描かれている。床の間にかけられた掛け軸にまで見事な枝振りの枝垂桜が描かれている。そして桜の内掛けを羽織る自分、桜ずくしのこの空間は美しくも妖しい。

「ギン?」

「あ、いえ、すいませんッ」

 チラっと向かいに座すギンに目をやると、ギンは身体を小さくして紅くなった頬を隠すように下を向いた。妙に気まずい感覚に襲われる。

 自分は花魁で、ギンは知り合いとは言え客。

 重苦しい雰囲気を振り払うように席を立つと、サンジは奥に見える次の間へ寄った。

「こっちにも部屋があるのか、こっちもすげぇーのかもな」

 ヘラヘラと調子よく笑いながら桜吹雪の舞う襖を開く。すると、

「マジかよッ」

 次の間に用意されていたもの、それは真っ赤な羽根布団に、仲良く二つ並べられた高枕。いかにもなその光景にサンジは気が遠くなりそうになった。

(冗談はやめてくれ)

 余計に気まずくなって、見なかったことにしようと、サンジが襖を閉じようとする。しかし、

「サ、サンジさんッ」

「ギ、ギン、テメェなに考えてやがる!」

 音もなく後ろから忍び寄ったギンが、後ろからサンジを抱き締める。ギンの熱い息がサンジの首筋にあたる。

「俺、助けてもらった時からずっとサンジさんを……。だからすみません、一度でいいんです、俺に想いを遂げさせて下さい!」

「お、想いって、ちょッ、うわッ」

 鼻息荒く迫るギンが、サンジを布団の上に押し倒す。

「もうだめだ、我慢できねぇ。俺はサンジさん、アンタが好きなんだ!」

「や、やめっ、ギンッ!!!」

 悲愴なサンジの叫びなど耳に届いていないのか、ギンが押し倒したサンジの足袋を履いた脚に頬を摺り寄せる。白く、きめ細かいサンジ肌の感触を楽しみ、そしてサンジの脚にギンが唇を寄せる。

「あッ」

「サンジさん、好きだ!」

「ッ!」

 熱い情熱を滾らせた目でギンがサンジを見つめている。野生の雄を匂わせるギンの真剣な表情に、サンジはようやく身の危険を悟った。

「うわ、あッ、やめろぉ……」

 夢中でサンジの白い脚にギンが口づけを繰り返す。貪るように激しく、まるで食い尽くす勢いだ。

「あぁ、綺麗だサンジさん。アンタは心も身体も真っ白で穢れない人だ」

「あ、ンッ、ちょ、待ッ」

 愛を語るギンは、すでにいつものギンではなかった。ギンが、ここぞとばかりに内に秘めたものをぶちまける。そして、ギンの指が唇が、じょじょに上へと這い上がる。

「ンンッ」

 恥ずかしいくらい甘い声が漏れて、サンジは愕然とした。こんなの自分じゃないと、奥歯を軋ませる。

「ダメだ、サンジさん。俺もうッ」

「ッ!!!!」

 切羽つまった声でそう言うと、ギンは自らの着物の前をくつろげた。現れたのは、天を向いてそそり立つ立派な逸物。ドクドクと脈打つそれが、サンジに襲い掛かる。

「ふざけんな、俺は男だぁ!!!」

「グハッ!!!!」

 切れのいい見事なケリが、ギンの顔面にあたる。局部を晒して襲い掛かって来るギンを前にして、サンジの理性がブチっと切れた。気がついた時には右足を繰り出していたのだ。

 思わぬ反撃に会い、キュウっとギンが仰向けに伸びている。

 しまった、客相手にやりすぎた! っと思った時には遅かった。スパンと襖が開いて、物音を聞き駆けつけた盆暮れがギンを見てキィっと金切り声を上げる。

「ちょぉっと、どう言うことなのよん。アンタなんてことしてくれたのよん!」

「これはその、アレだ」

 どうにか誤魔化そうと試みるも、一度怒った盆暮れは手がつけられない。

「もう、口で言ってわかんない妓には、お仕置きよん!!!」


 盆暮れがガッチリとサンジの手をつかむ。

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[ 2009/05/29 19:44 ] 二次創作一覧 小説 | TB(-) | CM(-)
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ひぐれ&しぐれ

Author:ひぐれ&しぐれ
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