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♪腐った主と花丸な日々♪  
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「サクラ咲く夜に――第11話――」

~大江戸ワンピース~

「サクラ咲く夜に――第11話――」

                           文:ひぐれ


 盆暮れが出て行くと、部屋にはサンジとエースの二人だけになった。手酌で酒を干すエースを、サンジは立ったまま驚いて見つめていた。

 なんだってエースが自分を買うのだろうか。白髭海賊団二番隊隊長エースと言えば、全世界にその名を轟かす大海賊だ。エースほどの男なら、こんなところへ来ずとも自ら身体を差し出す女も男もそれこそ山のようにいるだろう。それが何故、自分を?

 考えられる理由は一つしかなかった。

「もしかして、ルフィ親分に頼まれて?」

 昨日チョッパーが、ナミ達が必死に金策をしていると話していた。とすれば、ルフィ親分が兄であるエースに自分の身請けを頼んだのかもしれない。

 よかった、これで助かったと息をついたサンジの白い手を、杯を置いたエースがつかんだ。

「さぁ、それはどうだかなぁ。前からアンタに興味があった、と言ったら?」

「ッ?!」

「それに、ルフィに頼まれたにしても高い買い物をするんだ、それなりに見返りがないとな」

「!!!」

 つかんだサンジの手に、エースが目にも止まらぬ速さで口づけをする。片方の口角だけ上げてニヤリと笑うエースに、サンジはかつてないほどの危機感を覚えた。

 ギンならまだしも、相手は火拳のエース、本気で戦っても勝てるかどうか。

「おおっと」

「ッ」

 逃げようと身体を反転させたサンジを、エースが後ろから抱き締めた。逞しいエースの腕の中に、すっぽりと包み込まれてしまう。

「そう怯えるなって。悪いようにはしないぜ」

 エースの体温と匂いがサンジを包んでいる。サンジの心臓が駆け足を始める。

「吉原から、出たいんだろ?」

「……ッ」

 ふっと熱い息をサンジの首筋に吹きかけながら、エースが囁く。ブルっと腰が震える。

 吉原から出たいのは確かだ、けれどただですむとは思えない。

「生憎、間に合ってるんでね」

 バッとエースの手を振り払い、サンジはエースを睨みつけた。エースは一旦自分の手に目をやり、サンジに振り向くと、肩を竦めて笑った。

「こりゃぁ手ごわい。けど、落としがいがあるってもんだ」

 クルリとサンジに背を向けると、エースは次の間の襖へ一人向かった。

「まぁいいさ、俺はもう寝る。アンタも好きにしな」

 背を向けたまま、エースは手をヒラヒラさせている。そのエースがすっと振り返り、帽子のつばを人差し指で押し上げて不敵に微笑む。

「俺は愉しみは後にとっておく質でね。盆暮れとは話をつけてある。明日の夕方には、アンタは俺のものだ。明日はおまえを抱く」

「!」

 驚愕に瞳を見開くサンジの前で、襖が閉まる。身体の力が一気に抜けて、サンジはずるずるとその場にしゃがみ込んでしまった。

 明日、明日になった自分は――ッ!

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[ 2009/05/29 20:04 ] 二次創作一覧 小説 | TB(-) | CM(-)
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